ショッピングモールでのEC

「楽天やヤフーショッピングなどのショッピングモールは購入したいユーザーが多いから売れる。」
 これを額面通りに受け取ってしまうと、大きな誤解が生まれます。

まず、法人向け商品や消費者向けビジネスでもサービスに属するタイプのものは売れにくいのが通常です。いろんなお店でちょこちょこと複数商品をカートに入れて買うというシチュエーションがないからです。

また、楽天やヤフーショッピングなどに出店をしても、ショッピングモールでのユーザーは小さくて安いものがすきな人が多く、顧客獲得が出来ても浮気をしやすい。

さらに、このような薄利多売型の商品の場合、リピート販売によって利益を刈り取るビジネスモデルが基本であるにも関わらず、リピート販売の際にコストが発生します。例えば既に購入したことのある既存客向けにメールDMを送る場合にもフィーが発生したり、売上の数%を差し引かれるなどのケースです。

実際ショッピングモールに出店をしたことがある人は実感として知っていますが、結局ランニングコストとしては1年で換算すると独自ドメインでホームページを構築する場合とモールで出店する場合では前者のほうが安くなります。

ショッピングモールの場合には永遠に固定費と売上フィーがかかりますが、独自ホームページの場合には投資額を回収すればその後の固定費はレンタルサーバ代の数千円程度がかかるだけになるからです。

また、顧客リストの意義も大きく違います。ショッピングモールの場合せっかく獲得した顧客リストもそのショッピングモールから自社のものにすることが規約上不可能なことがあります。これははっきり言ってしまえばアフィリエイターが利益を継続的に生むのが難しいのと同じで、結局、顧客という最大の資産を蓄積していけません。

そうはいってもどこのショッピングモールでも年間取扱高などは数千億の市場規模があると公称されています。例として楽天の場合1日あたり取扱高は平均約13億円なので年間にならすと、およそ4000億円、ヤフーショッピングの場合、1日平均取扱高は平均約5億円なので、年間にならすと、およそ1825億円。結構な取引が行われていることは事実です。

参考:楽天 ヤフーショッピング

しかし、日本国内全体をご存じでしょうか?

具体的に2007年発表の経済産業省による調査結果によれば、B2C(消費者向けビジネス)での市場取扱高は年間4.4兆円、B2B(法人向けビジネス)での市場取扱高は年間148兆円です。

参考:経済産業省調査結果2007

楽天、ヤフーショッピングをはじめとするモールの場合、主にB2CがメインのECになりますが、B2Cだけ見てもおよそ10倍から24倍の市場が日本全体としては存在しています。

B2Bに至ってはショッピングモールではほとんど売れない上に市場規模を単純に比較すると、370倍から822倍の市場が存在しているということになります。

更に言ってしまえば、これらは国内取扱高なので、上記の経済産業省調査結果にある米国市場を見ると、B2Bで95兆円、B2Cで19兆円の市場が、米国だけを対象にしただけでも加わります。

このように、くくりを小さく取っても、大きく取っても、1企業の売上高から見れば、それなりの市場が存在するため、分からなくなってしまいがちですが、結局どれだけ市場規模があるとしても、その全てを1社が独占できるわけではありません。

つまり、市場全体の内のごく小さな比率が1企業の売上になるということです。

そのため、市場規模に着眼するのであれば母数が多いほうが有利だとする考え方があります。もちろん間違った見方をしてしまっては元も子もありませんが、日本国内だけを見ても、ショッピングモールのユーザー数や取扱高だけに着眼してしまった場合、国内全体の市場、ひいては市場性が見えにくくなってしまうことには注意が必要です。

ショッピングモールでのビジネスをお考えの場合には自社の扱う商品やサービス、ビジネスモデル等を加味した上で独自ホームページとどちらがよいのかを検討し、創意工夫することが必要です。